新春ごあいさつ

労働者福祉中央協議会
会長 古賀 伸明

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年の未曾有の災難を通じて、私たちはこれまでの社会のあり方や生き方について深く考えさせられ、「助け合い、支え合い」「人と人とのつながり」の大切さを学びました。この教訓を踏まえ、労働組合と協同組合の総力をあげて、絆・助け合いの輪を復興・再生に、そして日本社会全体の創り直しにつなげていかなくてはなりません。
 いよいよ国連が宣言した国際協同組合年が幕を開けます。内外ともに協同組合の存在が期待されている今、これを契機に「共助」の組織である協同組合も、それを超えた「公益」や連帯経済の担い手としての新たな姿を示し、社会的存在感や価値、力量をさらに高めていくことが必要です。
 今や日本は貧困や格差が広がり、自殺者も13年連続で3万人を超え、社会そのものの持続性が問われています。経済成長は人間の幸せのためにあり、手段であって目的ではありません。「世界じゅうの人たちが幸せにならなければ個人の幸せはない」(詩人・宮沢賢治)、「一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である」(ILOフィラデルフィア宣言 1944年)という言葉を改めて噛みしめたいと思います。
 私たちは今、好むと好まざるとにかかわらず、大きな変革期を生きています。従来の延長線上ではなくて、私たち自身が新しいコンセプトをつくっていく時代を迎えているのです。新しい仕組みやシステムをつくることは、一面どこかに痛みを伴う可能性もありますが、それを乗り越えていかなければなりません。
 中央労福協は、「連帯・協同でつくる安心・共生の福祉社会」をめざし、これからも幅広いネットワークとの協働で、社会的連帯を深める運動や政策実現、ライフサポート活動の充実、協同事業・労働者福祉運動の基盤強化に取り組んでいきます。
 新しい時代のステージをみずからの手で創造していくことが私たちの使命であるという気概をもって、この1年間ともに頑張りましょう。

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