|
 日本労働組合総連合会
事務局長
神津 里季生
2015年の新春を迎え、年頭のご挨拶を申し上げますとともに、日頃からの連合運動に対するご支援に心より御礼申し上げます。
いま、わが国は新たな社会経済の好循環を実現できるか否かの岐路に立っています。持続可能な社会を実現するために必要なことは、拡大している格差・貧困の問題を正面から見据え、一部の富める者だけでなく社会のすそ野に光を当てた施策を実行することです。私たちは、そのことを強く政治に求めるとともに、労働運動みずからの課題として、社会全体の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現に全力で取り組み、働く者を起点とした社会経済の再生をはかる所存です。
人口減少社会に移行する中で、地域の先行きに対する懸念が広がっています。懸念を払拭し、地域社会の活性化をはかる上でも、それぞれの地域において主体的にソーシャル・キャピタルを育んでいく視点と工夫が求められます。その意味で、労福協が基軸となって取り組んでいる生活困窮者支援あるいは地域再生の運動が果たす役割は大きく、着実な前進がはかられることに期待します。
連合は、めざすべき社会ビジョンとして「働くことを軸とする安心社会」を提起しています 。これを具体化する基盤の一つが包摂型社会の実現です。それは、労福協、労働者福祉事業団体、協同組合、ＮＰＯなど、志を同じくする様々な主体とともに、地域における助け合いの輪を広げ、すべての人が安心して生活できる社会をつくることであり、このことは、中央労福協が掲げる「連帯・協同でつくる安心・共生の福祉社会」の具体化とも通じる部分が多いと考えます。連合は引き続き、これらビジョンの実現に向けて、中央労福協とともに積極的に役割を果たして行きたいと思います。
最後になりますが、本年も連合への変わらぬご支援・ご指導をお願い申し上げるとともに、皆様の益々のご健勝・ご活躍を祈念し、年頭のご挨拶といたします。
|
