「後期高齢者医療制度」には、手続き論、心情論など沢山の反対意見がありますが、そもそも、この制度は根本が間違っているので撤廃しなければならないと思います。社会保障制度の基本理念である「全体で支え合う」ということを忘れて、財政削減先にありきで作られた制度だからです。
社会保障費の抑制、中でも一番の狙いが老人医療費の大幅削減という、財政削減策から始まったこの制度は、その根拠とされている、統計・数字等資料が実態を反映しているとはとても思えない。政府に都合のよいものの寄せ集めで、政府の説明はと言えば、詭弁・屁理屈・嘘という、まったく信用できない制度なのです。
「高齢者の医療費が急激に増えますよ」と言いますが、この5年間の統計をみても、一人頭大体(70〜80)万円程度で推移しています。増えているというのは、人口の変化によるもので、政府がどんな詭弁を弄して「後期高齢者医療制度」を実施し続けても、この制度で老人医療を減らすには、人を減らすしかないのです。このような制度では、何も解決できないのです。
この制度が閣議決定された大綱の中に「高齢者が安心して医療にかかれるような制度を作りました。若い人からも、国からも応援します」と書かれていあります。そして今「多くの人の保険料が安くなりました。この制度に反対するのはおかしい・・・・・・」「説明不足なのだから見直す必要はない。もっとよく説明をして・・・・」などと政府は言っておりますが、「後期高齢者医療制度」の枠の中に高齢者を入れてから、二年ごとに保険料の値上げを押し付けることができる制度になっていることは知らされていません。
このことは、介護保険を例にとると良く分かります。
介護保険法には「おおむね三年を通じて財政の均衡を保たれるものでなければならない・・・・」と書かれてあります。
2000年に、2,911円でスタートした介護保険は「財政の均衡が保たれない」という理由で、保険料の値上げが二度実施され、来年、3回目の見直しでは、スタート時の倍以上の6,000円を超えると言われています。
では、「後期高齢者医療制度」はと言うと、「おおむね二年を通じて財政の均衡を・・・・」と書かれているのです。この均衡が保たれるはずもなく、二年に一度見直しをされ、2008年全国平均6,000円のスタートが、2015年には、13,000円を超えると、今から言われています。
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