主催者代表(笹森清会長)の挨拶に続いて、地元福岡県労福協の島喜信会長、福岡県の山ア建典副知事それぞれから歓迎の挨拶を受けた。
北海道大学大学院法学研究科の宮本太郎教授(写真右)より「労働を中心とした福祉型社会の展望」と題して特別講演を受けた。同氏は、これまでの福祉国家(会社と家族に依存した日本的社会保障)と市場原理主義を超えた21世紀型福祉社会をつくる必要性を強調。人々を労働市場につなぐ多様なサービス(教育、家族ケア、職業訓練、医療)を提供することで参加を保障し、地域社会・経済に連帯を埋め込んでいく構想を提示し、協同セクターが積極的な役割を果たしていくよう期待を表明した。
その後、宮本教授の提言を含め「労福協60周年と連合20周年を迎え今後の進むべき方針を考察」と題してシンポジウムが行われた。パネラー(下の写真左から順に)は、中央労福協会長の笹森清、連合副事務局長の山本幸司氏、労働金庫協会副理事長の鈴木英幸氏、全労済副理事長の古川隆之氏が登壇し、コーディネーターは中央労福協の高橋均事務局長が担当した。事業団体の立場から、労金協会の鈴木副理事長は「創立の趣旨を思い起こし、労働者(勤労者)に選ばれ頼りにされる労働者バンクにならなくてはならない」と述べ、全労済の古川副理事長は「昨年50周年を迎え、組織や制度に様々な疲労が発生している。1,390万人の組合員の負託に応えるため、役職員が一丸となって進む事が大事」と過去を振り返りつつ今後の展望について語った。笹森会長からは、ろうきん、全労済や日本生協連の発足や、労働4団体から連合発足までの経過と思いを熱く語った。労組や労福協が中心となって作り上げた両事業団体と労組との関係が、「お客様と業者の関係に陥っている」という意識の改善についても論議が行われた。
連合の山本副事務局長は連合20周年プロジェクトの議論を紹介しながら、「このままでは社会そのものが壊れてしまう。『労働を中心とした福祉型社会』を実現するために、労働者福祉も含めてトータルな労働運動がどう連携し、その役割を果たしていくかという視点から論議していきたい」と語った。
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