|
運動を着実に前進させ飛躍の礎に
|
08〜09年度の活動方針を満場一致で決定
|
中央労福協は11月21日、東京・日暮里のホテル・ラングウッドにおいて第58回定期総会を開催した。総会では2008〜09年度の活動方針を決定し、「活力ある福祉社会、地域共生で暮らしに夢を!!」との総会スロ−ガンを採択した。
|
|
|
1.開会挨拶・議長団選出 議長団選出まで小野岡正副会長が司会となり開会挨拶を行った。 開会挨拶の概要は以下のとおり。 勤労者の生活はグローバル化のなかで格差が拡大している。中央労福協は、クレ・サラ問題の取り組み等大きな成果をあげている。多重債務者対策や割販法改正をはじめ、働くものの共生、助け合いの仕組み構築等労働者福祉運動の推進に向け活動計画を策定している。皆さんの論議をお願いしたい。 司会者より議長団として、労働団体を代表して情報労連中央執行委員奥田晃子代議員、地方労福協を代表して秋田県労働者福祉協議会事務局長表堀川隆三代議員の2名を諮り、了承された。
|
2.議長団就任 自己紹介の後、議長団を代表し奥田晃子代議員(右写真)より議長団就任の挨拶がなされた。 挨拶の概要は以下のとおり。 中央労福協は昨年の高金利引下げ運動を始め割賦販売法改正等、労働者の立場での福祉運動を積極的に推進されており、大きな成果となっています。本日向こう二年かの活動計画案を討議いたしますので、熱心な議論をお願いしたい。
|
|
3.中央労福協代表挨拶 笹森清会長(右写真)より代表挨拶があった。挨拶の概要は以下のとおり。なお、挨拶冒頭、故竪山利文元会長に全員で黙祷をささげた。 中央労福協は格差社会の是正、破壊された地域社会の再生、不条理を正す弱い立場に立った運動を展開している。連合との連携を強化しながら、ワンストップサービスやサポート事業の展開も全国展開になりつつある。昨年の高金利引下げ運動や今年度の割賦販売法改正運動に見られるように、日弁連や司法書士会、消費者団体等とのネットワークを作り、社会運動として取り組んできている。また、直近では「帰宅困難者訓練」として非常災害時の訓練も行われている。沿道のガソリンスタンドやコンビに等の地域ボランティアとの協力もいただき3,500人が参加している。 それぞれの地域で、社会から共感の得られる運動をこれまでの職域運動だけでなく、NPO団体や消費者団体等イデオロギーを超えて、社会運動として高め、日本社会全体に役立つ運動を皆さんとともに作り上げていきたい。
|
|
4.来賓挨拶・紹介
|
高木剛氏 (日本労働組合総連合会会長) クレサラ問題や割販法改正運動等各事業団体や地方労福協と協力し、前向きなチャレンジをされている中央労福協に大きな期待をしている。連合も106地協での地域連携をすすめ、ワンストップサービスに力を注いでいる。先の連合大会では「非正規労働センター」の設置を決め、格差や働き方の問題、労働法制への対応等、具体的な運動を構築していくためにも中央労福協にも協力いただきたい。
|
森英介氏 (自由民主党
労政局長) 中央労福協の勤労者を支える運動に敬意を表する。地域再生への取り組み等自民党も考えは同じで違和感はない。最賃や労働政策は三者(労働者、使用者、学者)での論議を中心に労働者の意見反映を進め、労働者の政策を進めていく。
|
藤井裕久氏 (民主党最高顧問) 最賃や労働法制についてはこれまで進展がなかったが、参議院で与党になったため、法案が成立した。不公平な社会は社会そのものを疲弊させる。荒んだ社会は改めなければならない。「一隅を照らすはこれ国の宝なり」と言われている。参議院の第一党としての努力をしたいので協力いただきたい。
|
谷口和史氏 (公明党労働局長) 割販法改正については党として今春からプロジェクトを開催し作業を進めている。中央労福協からの申し入れに応えるべく努力したい。格差に関しては、昔と異なり固定化している。ロストジェネレーションの正規雇用化、就職支援に向けて努力している。
|
福島みずほ氏 (社会民主党党首) 中央労福協からの政策制度要求については、真摯に受け止め党として対応していく。割賦販売法改正についても完結できるように進めたい。国会の情勢、特に解散については「テロ特措法」の関係でいろいろなシナリオが描けて先が見えない。民意は大連立反対であり、与野党逆転である。いずれにしても今後半年のうちに時代の趨勢が決まる。
|
氏兼裕之氏 (厚生労働省労働基準局勤労者生活部長) 働き方の見直しやワークライフバランスが話題に上がっているが、労働力の減少やグローバル化の中で格差の拡大が広まっている。厚労省として、労働界、経済界、学識者三者で論議しているが、多様な社会に向けた対応が求められている。労福協から毎年懇談会を開催し貴重な意見をいただいている。厚労省との連携を深め、勤労者の政策への反映をお願いしたい。
|
宇都宮健児氏 (日弁連多重債務対策本部長代行) クレ・サラの高金利引下げ運動については画期的な成果があげられた。その要因は、中央労福協を通じて連合が動いていただいた結果である。労働団体が世論を動かしてくれた。法律だけでなく、各県の多重債務対策協議会では中央労福協が大きな支援をいただいている。 一年前はまったく知らなかった団体が今、旧知の友となっています。日弁連だけでなく、消費者団体も、労福協が労働運動と社会運動の結節点になりうる組織であり、その活動に期待している。
|
阿部保吉氏 (退職者連合事務局長) 悪徳商法の被害者は高齢者である。したがって、この悪徳商法反対の取り組みは退職者連合の運動そのものであり、全国大会の中でも労福協との連動を確認したい。年金生活者は、物価上昇と税制改革が直接響いてくる。社会保障の整備のため、組織の拡大強化と財政の自立化を進めながら皆さんとともに運動していきたい。
|
|
|
5.メッセージ・祝電披露 民主党、国土交通省住宅局住宅総合整備課、労働調査協議会、財団法人さわやか福祉財団、(特)ニッポン・アクティブライフ・クラブ、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会、全国青年司法書士協議会、消費者のための割賦販売法改正実現全国会議、日本消費者協会、主婦連合会、全国消費者団体連絡会、(財)公益法人協会、中国職工対外交流中心、(社)全国中小企業勤労者福祉サービスセンター会長岡部晃三氏
|
6.総会成立宣言 代議員総数220名、委任状49名を含め207名の代議員が出席、総会成立を宣言。23名のオブザーバーの参加を報告。
|
|
7.議案審議 議長より、それでは、第1号議案「2003年度活動報告」、第2号議案「2003年度会計報告」につきまして一括して提案を求めます。
(1)第1号議案
2006〜2007年度活動報告 菅井義夫事務局長より議案書に基づき第1号議案の提案がなされた。
(2)第2号議案 2007年度(第60期)会計決算報告・同監査報告 小竹信行事務局次長より第2号議案の会計決算報告及び2007年度一般会計収支差額処分(案)の一括提案がなされた後、山本正彦会計監査より、議案書に基づき監査報告がなされ、クレサラ運動から割販法改正運動と勤労者のためになり、目に見える運動にこれからも期待している旨の口頭指摘があった。 議長が諮ったところ、1号議案、2号議案とも全員拍手で承認された。
|
(3)第3号議案 2008〜2009年度活動方針(案) 北村祐司事務局次長より議案書に基づき提案がなされた。
(4)第4号議案
2008年度(第61期)予算(案) 小竹信行事務局長より議案書に基づき提案がなされた。
質疑(京都労福協の藤喬事務局長・右写真) 生活保護制度の対応、格差社会や貧困対策については労福協だけでは対応が困難である。したがって、労働団体・ナショナルセンターへの働きかけをして欲しいむねの要請が出された。
応答(笹森清会長) 貧困社会の統制であるが、昔は貧しかったが夢があった。この問題については、連合をコアとし働くものすべての大同団結に結び付けて、社会運動の展開をやっていきたい。新しい社会運動としてスタートを切り労福協60周年を迎えたい。
質疑応答の後議長が諮ったところ、第3号議案及び第4号議案については、全会一致の拍手で承認された。
|
(5)第5号議案 役員改選 鈴木英幸役員選考委員会委員長より、選考委員会での経過報告と役員候補者の提案がなされた。 議長が諮ったところ、全会一致の拍手で承認された。
2008〜2009年度中央労福協役員
|
役職
|
氏 名
|
推薦団体
|
団体役職
|
|
会長
|
笹森 清
|
連合
|
連合 顧問
|
再任
|
副会長
|
山本 幸司
|
連合
|
連合 副事務局長
|
新任
|
渡邉 和夫
|
連合
|
フード連合 会長
|
再任
|
植本 眞砂子
|
連合
|
地域公共連合幹事 (自治労副委員長)
|
新任
|
斉藤 千秋
|
連合
|
電機連合 中央執行委員
|
新任
|
鈴木 英幸
|
労金協会
|
労金協会 副理事長
|
再任
|
古川 隆之
|
全労済
|
全労済 副理事長
|
新任
|
品川 尚志
|
日本生協連
|
日本生協連 専務理事
|
再任
|
遠藤 幸男
|
地方労福協
|
東部労福協 会長
|
新任
|
事務局長
|
高橋 均
|
連合
|
連合 参与
|
新任
|
会計監査
|
濱渕 正幸
|
連合
|
基幹労連 事務局次長
|
再任
|
山本 正彦
|
連合
|
紙パ連合 中央書記長
|
再任
|
原 日出夫
|
全労済
|
全労済 常務理事
|
新任
|
(6)第6号議案
参与の委嘱について 笹森清会長より菅井義夫前事務局長に参与の委嘱の提案がなされた。 議長が諮ったところ、全会一致ので拍手で承認された。
|
|
8.スローガン採択 議長より「活力ある福祉社会地域強制で暮らしに夢を」読み上げ、全員異議なく承認された。
|
|
9.新旧役員挨拶 第58回定期総会にて退任される下記の役員への感謝状及び・記念品贈呈がなされた。 高橋由夫副会長、笠見猛副会長、篠原淳子副会長、小野岡正副会長、岡田勝副会長、菅井義夫事務局、長上野賀敏会計監査(公務により欠席) 退任役員を代表して菅井義夫前事務局長(左写真)より挨拶を受けた。
新役員挨拶 議長より以下の新役員の紹介がなされ、笹森清会長と高橋均新事務局長から挨拶がなされた。 笹森会長、山本副会長、渡邉副会長、植本副会長、斉藤副会長、鈴木副会長、古川副会長、品川副会長(欠席)、遠藤副会長、高橋事務局長、濱渕会計監査、山本会計監査、原会計監査。
高橋均新事務局長(左写真) 中央労福協は、労働団体や事業団体と連携を図り新たな社会運動のコーディネーターとしての役割を果たしていきたい。
|
|
10.議長団解任 議長団を代表し堀川隆三氏(右写真)から退任挨拶があり、議長団の解任及び書記解任が発せられた。
11.閉会挨拶 全ての議事が終了し渡邊和夫副会長が閉会挨拶を行ない、中央労働者福祉協議会の第58回定期総会を終了した。
|