株式会社には多数の取引先があり、また多くの従業員を雇用していますから、いきなり消滅すると社会に深刻な影響を与えます。そのため経営困難ではあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・更生を目的として会社更生手続を進めることができます。
武富士の負債約4300億円のうち過払債務が約1700億円を占めます。これは現在明らかになっている過払いのみの金額です。潜在的には約2兆円、約200万人の過払債権者がいるといわれています。
過払債務とは「不当利得返還債務」です。不当利得とは法律上の原因がない利得ということです。通常の株式会社の営業で、会社の経営が傾くほどの不当利得が発生することはありません。会社更生法は、武富士のような多数の人の多額な過払い債務を切り捨てて、生き残らせるために制定されたものではないはずです。
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